ギックリ腰の患者さん「坂道ダッシュで腰を痛めました・・・」

今日の患者さんのひとこと

「坂道をダッシュしていたら、腰にピキッと痛みが出ました……」

ある患者さんが、体幹トレーニングの一環として10メートルの坂道ダッシュをしていたところ、腰の奥に「ピキッ」とした痛みが走ったそうです。

実は運動を習慣にしている方やアスリートには珍しくありません。

このケースは腸腰筋(ちょうようきん)という腰椎から太ももにつながる深部の筋肉が関係していることが多いんです。この筋肉は姿勢を保ったり、脚を引き上げたりと、日常の動作からスポーツまで大活躍してくれる筋肉なんです。

まさに“縁の下の力持ち”です。

ただ、急な坂道ダッシュのように負荷が高くなると、腸腰筋に過剰なストレスがかかり、筋肉やその周囲の組織が「ちょっと無理しすぎ!」とサインを出すことがあります。

それが、あの「ピキッ」という感覚なんですね。

トレーニングは健康づくりに欠かせませんが、筋肉にも“準備運動”が必要です。特に寒い季節は、筋肉も少し反応が悪くなりがちになります。しっかりとウォーミングアップをしてから動き出すことで、ケガのリスクをぐっと減らせますので気をつけてくださいね。

腸腰筋をやさしく伸ばせるストレッチ

おすすめは「ランジストレッチ」。簡単にできて、腸腰筋をじんわり伸ばせます。

  1. 片膝を床につけ、もう片方の足を前に出して膝を90度に曲げます(いわゆるランジの姿勢)。
  2. 背筋を伸ばしたまま、骨盤を前にスライドさせるように体重を前方へ移動。
  3. 後ろ脚の付け根(股関節の前側)が伸びているのを感じたら、そのまま20〜30秒キープ。
  4. 呼吸は止めずに、左右交互に2〜3セット行いましょう。

ポイントは、反動をつけずにゆっくり伸ばすこと。ストレッチ中に痛みを感じたら、無理せず中止してくださいね。

「体を鍛えるつもりが、痛めてしまった」なんてことにならないように。 ゆっくり、丁寧に、筋肉と対話するようなトレーニングとケアを心がけてくださいね。